南アルプスと中央アルプスに抱かれた伊那谷。

谷間をぬって諏訪湖から太平洋に天龍川が走る。

その右岸には北から、小沢、小黒、太田切の沢がのびていて

それぞれ、小沢川、小黒川、大田切川として合流する。

左岸に目を転じれば、仙丈ヶ岳や甲斐駒ケ岳の登り口。

長谷に黒川。

さくらの都、高遠城址公園には三峰川。

山岳の隆起と、これらの川が悠久の時をかけて作り出した風景は絶景。

街も人里も、道もこの高低差と上手に調和している。

私も、高低差について感じてみました。

南北の旧国道、バイパスも主要河川に寄り添うように走っている。

お諏訪の湖から天龍に沿って、傾斜を地形的に下れば豊橋。

地形的に上れば諏訪盆地。

車に乗って日常的に通ればあまり感じません。

歩いたり、自転車でペダルを踏み込んでみるとよくわかります。

 

高低差をひとが征服し、ビルを立てエスカレーターやエレベーターで

結ぶ。平面的な生活。これまで是とされてきた生活様式です。

フラットのはずなのにどこか閉塞感があり、息が詰まってしまいがち。

せっかく手にしたフラットのはずなのに...

 

深呼吸するかのように、レジャーに出かけるんだと思います。高低差を求めて。

スキー場、ハイキング、サーフィン。

元日に、私もスノーボードに行ってきましたが。

リフトで上がる「高」以外に数えられない「高低」があります。

そこに新雪のこぶがあり、避けるか乗るのか。

斜度が大きくなったから、スピードをセーブするかエッジを立てて上体をセーブするのか。

お客さんが多くなったから、大きいターンで旋回するかショートターンで直進するか。

高低差の中の生活には、アドベンチャー的な瞬時の選択を要求される場面が頻出します。

なぜだかいきいきと気分も上々になってくるんです。